土地や一戸建て、マンション等の不動産を売却する際には様々な費用がかかります。不動産会社に支払う手数料や税金などです。また、住宅ローンが残っている場合は手数料や税金の他にも費用がかかり、土地売却と一戸建てやマンション等の建物売却では、それぞれかかる費用が異なります。不動産売却にかかる費用を、詳しく以下に紹介します。
不動産売却時にかかる費用
不動産売却時には基本的に、以下の費用がかかります。
仲介手数料
仲介手数料は、不動産売却を依頼した不動産業者に支払う成功報酬です。依頼を受けると不動産会社は情報サイトに物件を掲載したり、購入希望者の内覧立ち会い、買主様との間に立って契約事務や条件の調整などの仲介を行います。仲介手数料は、売買価格が400万円以上の場合「（売買価格×3％＋6万円）+消費税」で計算するのが一般的です。また、成功報酬となりますので、売買契約が交わされるまでは支払う必要はありません。
登記費用
登記費用とは不動産の種類や構造、土地の所有権などを公示するための費用です。登記とは権利関係などを公示するために、法務局に保管される登記簿謄本に土地や不動産の面積・所在など、一定事項を記載することです。不動産売買に関しては、主に表示登記や所有権保存登記、所有権移転登記などがあります。
証明書発行費
不動産契約を結ぶ際には、印鑑証明書や住民票などの証明書が必要になります。証明書発行費とは、こうした証明書を発行するための費用です。
引越し費用
現在住んでいる土地や建物を売却するケースでは引越しをしなければなりません。家族が多ければ移動する家具なども多くなり、引越し費用もかさみます。
住宅ローンが残っている不動産を売却するための費用
住宅ローンが残っている場合には、以下の費用がかかります。
■ローン返済費
不動産売却の取引は、基本的にローンを完済していなければ成立しません。そのため、住宅ローンが残っている場合は、残ったローンを一括で返済しなければなりません。ローンの一括返済に関して金融機関によっては、「繰り上げ返済手数料」がかかることもあります。
■抵当権抹消費用
高額となる不動産を購入する際に、多くの人が金融機関などから借り入れして住宅ローンを組みます。借り入れたお金を万が一返済できない場合に、購入する土地や建物を担保とする権利が抵当権です。ローンが残っている状態で売却する場合には、売主が抵抗権を抹消させる必要があり、その費用が抵当権抹消費用です。
不動産売却時に必要な税金
不動産売却時には、以下の税金が必要になります。
印紙税
不動産売却には印紙税法に定められた課税文書となる、不動産売買契約書などを作成する必要があります。印紙税とはこれらの文書に課税されるものです。支払う額は、契約書に記載されている金額によって違います。
譲渡所得税
土地や建物などの不動産売却では、売った側にお金が入り所得が発生します。譲渡所得税とは、この所得に対して発生する税金です。
住民税
不動産を売却した際に売却価格が購入時より上回って利益がでると、その差額を対象に住民税が課税されます。不動産売却によってかかる譲渡所得税と住民税を分離課税といい、給与所得や事業所得などとは別に計算されます。
消費税
消費税は、事業者が国に納める税金です。個人間で売り買いする場合は、消費税は発生しません。しかし、不動産売却では不動産会社が仲介役となり、不動産会社は事業者となります。不動産を売却する際には不動産会社が国に納める消費税が、仲介手数料に加算されます。また、不動産売却においては、土地は消費されるものではないと考えられているため、消費税はかかりません。かかるのは、建物に対してのみです。
登録免許税
不動産売却には登記が必要であると前述しました。登録免許税とは不動産に関する所有権登記や、住宅ローンの抵当権の設定登記に関してかかる税金です。登録免許税は登記申請の際に納めます。
その他の費用
解体費・測量費
不動産売却の際には、上記のほかにもかかる費用があります。土地を売却する場合には、解体費や測量費が必要となるケースがあります。土地売却では建物がある状態よりも更地の方が多くの活用方法があり、更地にするためには解体費が必要です。土地売買では隣接地との境界を明確にする必要があります。境界標などが無く、境界が明確でない場合は土地の調査士に依頼して測量してもらう費用がかかります。
クリーニング費用・リフォーム費
また、一戸建てやマンション等を売却する場合にかかる費用として考えられるのは、クリーニング費用やリフォーム費です。一戸建てやマンションなどの建物を売却するケースでは、買い手を見つけるために建物をキレイにする必要があります。売り手本人で掃除できる箇所は問題ありませんが、排水溝や換気扇周辺など、業者に依頼しなければキレイにできない箇所もあります。クリーニング費用とは、業者に掃除を依頼する際に発生する費用です。さらに、壁の穴やドアの故障などがある建物では、改修をおこなう必要があります。その際にも業者にリフォームを依頼することになり、かかる費用がリフォーム費です。
実際にかかる金額はそれぞれ異なる
不動産売却時に必要な費用を紹介してきましたが実際にかかる金額は土地や一戸建て、マンションなどの種類によっても異なり、売買価格によっても変動します。また、ローンを完済しているか、残っているかでも違いがあります。不動産売却をおこなう際は、事前に確認し、大まかにでも支払う金額を把握しておくことが大切です。
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